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私なりの思い出

 私がある総合病院で副鼻腔炎手術後に入院中のこと・・・・

 早朝、突然大きな揺れに襲われた。眠っていた私はあわてて飛び起き・・・ようと思ったら、突然頭に衝撃が! 折角起きたのに、目の前が真っ暗になり、星が飛び回って、私は再びベットに倒れこんだ。一瞬何が起こったのかわからなかった。大きな揺れのために、病室の他の患者の方も当然目を覚ましておられて、倒れこんでいる私のところにきて、「大丈夫ですか!」などと声をかけてくださった。額に手をやると、血が出ていた。他の患者の方にティッシュを頂いて、しばらく額を押さえていた。どうやら、テレビの上に置いてあった魔法瓶が、揺れのせいで額目がけて落ちてきたらしい。

 10分くらいして、ようやく看護士が巡回に来た。

 「皆さん、大丈夫ですか~」

 何とも切迫感のない声で、そう声をかけてくれたはよいが、ティッシュで押さえている手の隙間からその看護士を見ると、何とすっぴんだった。なぜすっぴんとわかったのか・・・・眉毛がなかったから・・・・10分もたってからやってきて、すっぴんで寝ぼけ眼の顔と声。何だか切なくなった。

 看護士に額の応急手当てをしてもらい、テレビのスイッチを入れた。NHKニュースでは、大きな地震が起こったことを伝えていたが、スタジオでは情報が錯綜しているのか、「どこで」とか、「どのくらいの」といった地震の肝心な情報が皆無のようだった。額を押さえてベッドに横たわり、しばらくテレビを見ていたと思うが、少し落ち着いて他の患者さんを見ると、皆、大きな窓のそばで外を見つめている。声を失って外を見つめているのだ。病室は6階だったので、外の風景がよく見える。私もよろよろと立ち上がって窓から外を見てみると、朝焼けでうっすら明るくなった中、あちこちで煙が上がっているではないか。その窓は北西方向を向いていたので、方角からすると神戸方向であると思われた。何となく大変なことが起こっているような気がした。そして、徐々にわかってきた大きな被害・・・・・私は声を失い、呆然としていたような・・・・

 その日は、担当医の診察を午前10時から受ける予定だった。ところが、予定の10時になっても看護士が呼びに来てくれない。しびれを切らせて通りがかりの看護士に尋ねると、交通機関が麻痺していて、担当医がまだ病院に到着していないとのこと。その担当医は西宮の方だった。

 昼になって、いつものように昼食の時間。担当医が来れないのでは仕方がないな。そう思って、食後はずっとテレビニュースを観ていた。

 午後2時頃、ようやく病院に到着したのか、担当医が突然私の病室にやってきた。

 「矢野さん、ごめんごめん。電車が止まってしまっててな、大変やったわ。」

 それにしても、私が診察室に行くのではなく、なぜ担当医がわざわざ私のところに?

 「矢野さん、ごめんついでにもうひとつ。退院してほしいねん。病院のベッドをできるだけ空けるようにって指示が来てな、それで、軽症の患者さんに分担して声を掛けて回ってるわけやねん。」

 そのように言われたような。私は鼻の中に大量のガーゼを詰められた状態のままではあったが、幸いにも額の傷も大したことはなさそうで、何とか帰宅できそうだ。大変なことが起こったときだけに、それは仕方がないな、そう思って私は退院の準備をし、病室の他の患者さんに別れを告げて、迎えに来てくれた父の車で私は帰宅した。

 上の話は、言うまでもなく17年前の1月17日の出来事。私が私なりに体験した、兵庫県南部地震発生当日のことだ。あのときのNHKニュースのアナウンサーの顔、成田離婚をしたことがあるとおっしゃっていた担当医の顔、すっぴんの看護士の顔。今でもしっかりと記憶に残っている。

 あれから17年。鼻はすっかり元に戻った。

 追伸

 後日私は、病室で仲良くなった他の患者さんを見舞って、外来診察のついでに病室を訪れた。私が寝ていたベッドには、別の入院患者が眠っておられた。震災で怪我をされたのだな、そう思ったが、病室の他の患者さんからこんな話を聞かされた。

 「矢野さんの後に入院したあの人な、副鼻腔炎で入院されたんやって。」

 ・・・・・そこには、言葉を失った私がいた。

 追伸 その2

 地震で魔法瓶を額に落として怪我をした私。こんな私でも震災の負傷者1名なのだそうだ。

 魔法瓶をぶつけた額の傷。今もうっすらと跡が残っている。

 

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