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とんでもhappenな釣り6~連休の思い出~

 久しぶりに、「とんでもhappenな釣り」。連休前のこのタイミングで「あのhappen」を書こうと思っていた。じゃ、来年のこのタイミングではどんな話を書くのだろうか?・・・なんて考えずに書くことにしよう。

 私にはどうしても忘れられない連休の思い出がある。おそらく、サーフ人生の中でトップの思い出と言える。もったいぶらずに書こう。ああ~今思い出しても・・・・(>_<)

 今から10年ほど前の5月の連休。私は今回連休に同行するメンバーとほとんど似たようなメンバーで岩手・釜石にアイナメ狙いに行った。ああ、そう言えば今はほとんど現場に顔を出されない初代会長の小林氏や、もうサーフを引退された御大渡辺氏も一緒だった。行き帰りとも航空機を利用、現地レンタカー、ホテルで2泊という、今では到底できそうもない贅沢な釣りだった。

 現在のサーフ界の岩手の釣りといえば、宮古市の重茂近辺が脚光を浴びているが、当時の岩手での釣りは、釜石近辺が主な釣り場だった。山田湾の御箱崎や、釜石の死骨崎といった場所で、50センチオーバーのアイナメが出ることで急激にサーフの会員が釣行に行き出した。蛇足だが、ちょうどその頃からだろうか、浜坂、三尾のアイナメが釣り荒れのために大物が出なくなり、魅力がなくなったせいかサーフ会員があまり行かなくなったのは。

 さて、私たちは花巻空港経由で釜石に向かった。その日は確か連休初日だったと思うが、到着が午後だったのでその日は渡船に乗らずに地磯から釣ってお茶を濁し、その日は早々にホテルに入った。そして翌日、運命の日がやってきた。私たちは渡船に乗り、近い磯から順にメンバーを降ろしていった。そして、私は小林元会長、松本氏の3人で、死骨崎先端にある小さな島に渡してもらった。死骨崎灯台よりも少し沖に出ているこの島は、島の反対側に行く手すり付きの階段までついていた。小林氏と松本氏は、渡船が着いた地磯との水道筋ですることになり、私は階段を上って島の反対側、つまり沖側に釣り座をとった。そこは、手すり付きの階段がそのまま海までつながっていて、足場はコンクリート護岸、しかも手すりがあるので三脚いらずな場所。一人なので安全で恰好の釣り座に思えた。

 しかし、際を探ろうが、沖向きに投げようが、一向にアタリらしきものがない。事前に福岡氏から、「秋にはここで50センチオーバーを含め、爆釣していたよ。」なんて聞かされていたものだから大いに期待して竿を出したのだが、全くの当て外れ。そうこうするうちに昼を過ぎ、そろそろ気持ちも切れかけていたそのとき・・・・・

 突然竿尻がパーン!と浮いて、竿が飛びかけた。私はちょうど竿の横で、切れかけていた気持ちのまま、たまたま竿先に目をやっていたときだった。それで竿を飛ばされずに済んだのだが、私は咄嗟に竿をつかみ、ベールを起こして糸を出した。相手がアイナメなら全くのセオリー無視の対応だが、そのときは本当に咄嗟の反射行動だったのだ。糸はシューーー!!と音を立てて勢いよく出て行った。かつて、林崎でカモメに引っ掛けられて糸が思い切り出て行ったことがあるが、そのときよりも勢いがよかったと思う。とにかく、とてつもない勢いで糸は出て行った。そして、糸の出がゆるくなったタイミングを計ってベールを戻し、思い切り合わせた。

 「あれ? 根ガカリ?!」

 竿をあおっても寄ってこない。そのとき一瞬しまったと思った。糸を出したことを後悔したのだ。

 「しまった! 根にもぐられたか!!」

 しかしである。なんとなくこちらに寄ってくるような感触。私は気を取り直してゆっくり竿をあおって巻き始めた。うん、確かに少しずつ寄ってくる。しかし、どうみても海草か障害物の感触。

 「さっきのアタリはいったい・・・・?!」

 そう思ってさらに巻こうとしたとき、突然、今まで経験したこともない強烈な締め込みがやってきた。

 「あれ?! 魚がついてる・・・・・。」

 まるで、ドンゴロスがしめ込んでいるような感触。座布団クラスのエイがしめ込んでいるいるような感触。当時使用していたツインパワー425BX並継ぎは満月のようにしなっている。こんな感触は初めてだった。そして必死に巻いてきてふと足元の海面を見たとき、私は足が震えてとまらなくなった。巨体の黒い影・・・・ 魚はアイナメ「らしい」ということはわかったが・・・

 「何? これが本当に、あのアイナメ?!」

 見たこともないサイズだった。明らかに50センチオーバー、いや、60センチ近かったと思う。そのときはまだ50センチオーバーのアイナメなんて現物を見たことがなかった。50センチはあるなとは思ったが、翌日に萩山氏が釣った拓寸56センチオーバーのアイナメと比較することができて、明らかにそれよりも大きかったのだ。波間にただよう大きなアイナメ。ところが、しまったことにそのときは玉網を持参していなかった。30センチオーバーしかアイナメは釣ったことがなかったそのときの自分には、アイナメ釣りで玉網など全く考えもしなかったのだ。さて、どうしようか。ところが、後になって冷静に考えればいろいろな考えが及ぶが、そのときは頭の中は真っ白。パニックは頂点に達していた。それで、何も考えずに無謀にも抜き上げようとしていた。少しは頭にあった。仕掛けはモトス10号ハリスはケプラーを使用していたということを。だから、抜けると思ったのは間違いはなかった。ところが、魚が水面から離れない。抜き上げようにも魚が持ち上がらないのだ。かつて、数々の大物を玉網を使わずに抜き上げたことがあった。鳴門の65センチのスズキ、西舞子の55センチのコイチ。住金裏の47センチのクロダイ。そのいずれも竿をためると魚は持ち上がってくれた。ところが、その「アイナメ」はどうしようにも、水面から上がらなかった。そしてついに運命の時・・・こともあろうにテンビンと仕掛けの結び目が抜けてしまったのだ!! 半分持ち上がっていた魚体はその瞬間、仕掛けごと水面に「ドボン」と音を残して水面下に消えた。私は声ともつかない奇声を上げ、しばらく呆然としてその場に立ち尽くしていた・・・・

 私はいつかは岩手のアイナメを釣りに行かねばなるまい。クラブ員にも他の釣友にもおそらくこの気持ちは理解できないと思うが、あのときの「悲劇」は未だに私の頭の中でトラウマとなって存在している。そのトラウマを振りほどかなければ、サーフを引退するそのときがきても、きっと引退できないと思うのだ。いつかはきっと、いつかはきっと、50センチ、いや、60センチオーバーのアイナメを「岩手」で釣る。私は心の中でそう決めている。

 それ以来。岩手への釣行は実現していない。クラブ員は時折出かけては、50センチオーバーを仕留めたりしているが、私には予算とかの関係で、なかなか実現できないでいる。私のアイナメ号数は、Aランクはともかく、Bランク3匹を含めあとはガラガラ。磯アイナメが得意と自分で思っておきながら、なんとなく大物アイナメとは縁がなく現在に至っている。また、蛇足ではあるが、例の渡波のイシガレイ。東北の神様がそんな私のことを覚えていてくださって、そうやって記録魚を釣らせてくださったのではないか。私にはそう思えてならないのである。

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