« 誕生日 その1 | トップページ | 誕生日 その3 »

誕生日 その2

 今日は息子の誕生日の翌日ということで、たまには家族サービスでもせにゃならんということで、須磨海浜水族園に行ってきた。ただ、海方向に走るのにただで走る自分ではない。早朝6時に家を出て最初に目指したのは、平磯海釣り公園だった。時期は少し早いかもしれないが、そろそろカレイが釣れ出すのでは?という目論みだった。それに、最近はクロダイ系の魚しか見ていなかったので、そろそろ平べったい魚が見たくなったのだ。ただ、自分ばかりが釣りをすれば、二人にダシにされた、なんて思われかねないので、天秤カゴのメバル仕掛けも1セット持っていき、妻と息子にさせることにした。と、ここまでは良かったが・・・・・結局は1匹も魚の顔を見れずに昼頃に須磨海浜水族園に移動した・・・ まあ、釣果はともかく、とりあえずは3人でゆっくりと過ごした1日だった。

 そうそう、昨日の誕生日その1の続きのことだが、「続く」「その1」と書いた以上、なんだか書かなければならない義務感のようなものが芽生えてて、今日も家族と過ごしながら文章を考えていた。そして、記憶をたどってみたのだが、当時息子の闘病中は記録などをとっている暇など全くなく、したがって、自分のおぼろげな記憶をたよりに書いていかなければならないので、例によって時間の脈絡に矛盾があるかもしれない。そのことを自分自身で納得した上で、読んでいただく方の了解を得たつもりで綴ってみよう。

 息子が白いウンチをしたのが確か平成15年の6月20日頃。2日後に八尾市のI病院にかかって、それから約10日後の7月の上旬に大阪市内の大学病院で診察を受け、そのまま大学病院に入院することになった。妻は病院にかじりつきで、息子の付き添いをしなければならなくなった。数日に一度は私と交代することにしたが、不自由な生活が予想されることには変わりなかった。

 「胆道閉鎖症」・・・肝臓から胆のうを経て、すい臓からの水管と合流して十二指腸につながる管を「胆道」または「胆管」といって、肝臓で作られる脂肪分を消化するための「胆汁」を消化管に流し込むための管であるが、先天的にその管が存在しない、または細くて使いものにならない状態を、こういう病名で表す。もちろん、滅多にある病気ではない。もしこの病気(先天的なものを「病気」と言うべきなのかどうかわからないが。)になると、肝臓で作られる胆汁が消化管に流れずに逆流し、肝臓にたまってしまう。消化管に出ない胆汁は逆に毒素となって肝臓を冒してしまう怖い病気である。だから、胆汁が消化管に出ないと肝臓から血液に漏れ出て、それが黄疸という症状となって現れる。新生児はまだ肝臓の機能が落ち着いていないため、この黄疸の症状が現れるのだが、普通は数週間から1ヶ月で肝臓の機能が正常になるため、黄疸は消える。それがうちの息子の場合はいつまでたっても黄疸が消えなかった。にもかかわらず、産婦人科医の言葉が油断となって、生後3ヶ月までそのままにしてしまった。だから、あの白いウンチが息子の身体から出される精一杯のSOSだったのだろう。なぜなら、普通ウンチが茶色い色をしているのは、消化物に胆汁が含まれるからなのである。「胆汁が出ていないぞ。早くなんとかしないと肝臓が危険になるぞ。」そういう身体からのSOSだったのだと思う。肝臓の機能が停止すると人は生きていけない。肝臓は人工のものとは決して取り替えられない。事態は一刻の猶予もならない状態であった。

 息子の場合はまず、胆道を再構築して肝機能を取り戻すことが最大の目標となった。胆道の再構築手段は、「葛西手術」と呼ばれる、某大学教授の葛西医師が開発した手術法が選ばれた。葛西手術は、小腸を肝臓と直結して胆道の代わりになる管とし、胃からの消化管を、小腸-肝臓間にT字型に接続するというもの。こうすることによって、胆道も消化管も同時に維持できるということだった。まさか息子がそんな大掛かりな手術を受けなければならないなんて思ってもみなかったから、入院が決まって手術をすることなど知る由もない息子をベッドに寝転がせて、私は妻と二人でそんな息子を見つめるしかなかった。そのとき、闘病が長くなるようなそんな予感を二人とも持っていたと思う。二人とも不安で仕方なかったのだ。

 息子は様々な検査を経て7月下旬についに「葛西手術」を受けた。手術時間はかなり長く6時間くらいだったろうか。手術が終わってICUのベッドで眠っている息子を見て、二人ともとりあえずは胸をなでおろした。そして手術後初の排便。ウンチの色で手術の結果がわかる。茶色であれば、胆汁が出ているという証拠だ。結果は・・・わずかに茶色が回復していた。担当の看護士さんが病室に飛んできて、「お父さん、お母さん、茶色ですよー。」と伝えてくれた。よかった、これで治る。夫婦で喜びあった。ところが、喜びあったのもつかの間、数日後の診断で思いもよらない結果が私たち夫婦に伝えられた。「胆道は再構築できましたが、残念ながら肝機能はもう回復しないでしょう。残された手段はただひとつ・・・」

                                    やはり、続きます

« 誕生日 その1 | トップページ | 誕生日 その3 »

保存版」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/508444/40513067

この記事へのトラックバック一覧です: 誕生日 その2:

« 誕生日 その1 | トップページ | 誕生日 その3 »

カテゴリー

  • とんでもhappenな釣り
    釣りに行って遭遇した、様々なハプニングを書いています。
  • アーカイブ釣行記
    過去の釣行記事を復刻しました。
  • タックル・アイテム
    記事数が多くなったので、タックルやアイテムについての書き込みも整理してみることにしました。これはただ今作業中ですので、順次増やしていく予定です。
  • プチ釣行記
    個人での釣行記録です。遠征釣行も含みます。
  • 一応学校の先生です
    時折飛び出す、授業ネタ、吹奏楽ネタをまとめました。おはずかしいですが、これでも一応学校の先生、ってことで(^^)
  • 事故の記録
    今となっては大切な、事故と入院生活の記録文。事故4周年を迎えて、新たにカテゴリーを設定しました。
  • 保存版
    私にとっては、とても大切な記録文だと思っています。お読みいただければうれしいです。
  • 家族のこと
    鼻の下を長くして、家族のことを書き綴っています(^^;
  • 活け魚陸送
    おいしい刺身を食べるには、生きたまま持ち帰るのが一番!! というわけで、様々な魚種を生きたまま持ち帰る、というテーマで書いています。
  • 西大阪サーフ月例会
    私が所属する、西大阪サーフの月例会を報告します。必ずしも私が参加出来るとは限りませんので、報告がない月もあるかもしれません。ご了承ください。
  • 食部門
    釣り部門よりも優先している、魚を食す部門です。さて、どんな料理が飛び出すか?!
2017年7月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30 31          
フォト
無料ブログはココログ