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とんでもhappenな釣り 3

 北斗サーフに入って2、3年目の夏。三重県熊野市の阿古師神社前波止に初めて行った。夜はキスの大型、昼間はキュウセンやヨメゴチが釣れると聞いていたからだ。夕方に盾ヶ崎の遊歩道入り口のところに車を留め、重い荷物を担いで細い遊歩道を降りていった。この遊歩道を降りたことがある方はおわかりと思うが、行きも帰りも上り、下りがあり、石段が用意されているものの、荷物を担いで歩くには往復とも結構きつい遊歩道だ。20分くらいかけて、ようやく神社鳥居前の波止に着いた。ところが、1人で釣行した私はその後のシチュエーションを全く理解していなかった。暗くなって小波止には私ひとり。後には鳥居が立っていてその後が境内になっている。なんとなく不気味。そして、神社の横の雑木林ではキラキラ光る2つの目があそこにも、ほらそこにも。動物であるのはわかっているが、雑木林でガサッと音がするたびにギョッとして振り向く。そし て、悪いことに全くアタリがない。後のガサガサとアタリのなさが、私をソワソワさせる。

  しばらく我慢していたがそんな状況は一向に変わらず、「エエイ!もう止め止め!!」そう決断したが早いか、私はソソクサと竿を仕舞って元来た遊歩道を引き返した。引き返す道中もガサガサと音があちこちで鳴り、二つの目がキラキラ。怖いので足早に歩くが荷物を背負っている上に上り坂。遊歩道の中腹まで上がったときに、ついに息が切れて石段に座りこんでしまった。「もうええよ。動物さん、私を食べて。幽霊さん、私にとりついて。」そんな心境でうつむいて息をハアハア。そして、ようやく息が落ち着いて周囲を見渡す余裕ができ、顔を上げた途端に私は絶叫した。「ウワア!!」

  動物が襲ってきた? ではない。おばけ? でもない。周りを見渡すとなんとあたり一面にホタルの大群が!! 初めて見る光景だった。数匹のホタルがチラホラと飛ぶ光景は何度か見たことがあるが、あんな大群は見たことがない。私を取り囲むように、あたり一面ホタルの大群なのだ。私は思わず絶句して、周りに見とれてしばらくそこに座っていた。あたりがホタルの光で明るくなっている。今来た遊歩道もホタルの光で照らされている。木々はまるで、クリスマスツリーのように、キラキラと光が点滅している。あまりの素晴らしさに私は怖さと息苦しさを忘れて、息を殺してじっとその光景を見続けた。そして、そのうちに今までビクビクしながら釣っていた自分が急にあほらしく思えてきて、身体から力が抜けていくのがわかった。遊歩道を必死で上がってくるときは、担ぐ荷物の重さにたえるべくうつむいて歩いていたので、ホタルには全く気づかなかったようだ。

  この日は他の場所で釣るものの全く釣果がなく、朝になってから帰阪した。それでも、今までの釣行の中で「思い出に残る釣行ベスト3」に入るほど大変貴重な体験をした釣行だった。

釣果がなくても思い出に残る釣りはたくさんあるものだ。例えば、見知らぬ人との出会いや、思わぬ自然とのふれあいとか。釣果、ランク物とこだわる釣りももちろん必要だし目的意識があって良いのだが、私の場合はどちらかというと「出会い、ふれあい、体験」がある釣りの方が好きだ。もっともっとそんな経験をしてみたいなあ。最近はそんなことばかり思っている。いよいよ歳かいな。

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